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Showing posts from August, 2024

なんだかんだでBuy the Dipの戦略

<8月の下げはとりあえず終了>   8月に入ってからの米経済指数が予想より悪かったことを受けて下げた米株相場は、先週月曜日に円キャリー取引の急激な巻き戻しによる強制売却でクライマックスを迎えた。 このことは先週の投稿に詳しく書いたのでそちらを見てほしい。 その後、米株相場は8営業日中、7営業日で上げた。8月1日からの下げは水曜日までに全て取り戻した。 さらに木曜はRetail Sales, Initial Jobless Claims, Walmartの決算と全て経済にいいデータが出たのでS&P500もQQQも高い出来高で50日移動平均線を奪還した。 今週火曜日にはIBDのフォロースルーデーも出て、IBDの見立ても今日は40%-60%投資まで回復した。 私は先週の月曜日に書いたポストで説明したように、今回の下げはFlash Crashに近いので長くは続かないと思い、月曜日にNVDAとMETAを買い足した。 私が買ったところからたった8営業日でNVDAは24%、METAは13%上げた。まさにFlash Crashだった。   <でもここから先は経済次第>   相場のフォーカスが「インフレ・利下げ」から「経済」にはっきりとシフトしたのは7月のFOMCのミーティング。 よって、今後の相場は経済次第。今は良いニュースは良いニュース、悪いニュースは悪いニュースの相場だ。 つまり、経済で悪いデータが出ればまた株は下がる。 フォロースルーデーが出たからといって、安心はできない。フォロースルーは騙しの時も多々ある。 去年の夏の3ヶ月連続の下げも騙しのフォロスルーデーが何回かあったけど、株価は10月の底が入るまで下がり続けた。   <今年が去年と違うところ>   去年の夏の下げと比べて、今年の下げの良いところは先週月曜日のVIXのスパイクと大きな出来高を伴う下げだ。 あれはいわゆる「キャピチュレーション(降伏)」といわれる、市場の膿を出す大商いの日と見なしていいと私は思ってる。 去年の夏の下げはキャピチュレーションがなかった。 先週のポストでも言ったけど、 VIXが65まで行ったのは過去35年で3回しかない。リーマンショックとコロナショックと今回だ。 あの日でかなりのレベレッジをかけた逃げ足の早いポジションは解消されたのではない...

歴史木的なボラティリティの異常なスパイク

月曜の米株暴落はどうやら円のキャリートレードの強制撤収が引き金だったらしい。米投資家の間ではその話で持ちきり。キャリートレードとは要するに外貨でレベレッジをかけて投資すること。よって強制撤収の時は追証で容赦無く全てが売られる。もし真実なら今回の暴落は長くは続かない。   この急激な下げはどうやら弱い経済のせいじゃない   先週の米株はセクターローテーションから始まり、水曜日のFOMCで9月からの利下げが確定したかと思いきや、木曜、金曜とマクロデータが悪かったため、Bad news is bαd news(悪いニュースは悪いニュース)への相場意識の移行もあり、株価が下げた。 米国10年債券の利回りも久々に4%を切ったと思ったら、今日、月曜のマーケットが開く前になんと一気に3.7%以下まで下げてしまった。 そんなにパニクるほど経済悪くないと思うんだけどなぁ、と頭をかしげていたら、週末、投資家仲間の間で一気に出回ったのが円キャリートレードの話だった。   円のキャリートレードとは?   キャリートレードとは要するに安い利率でお金を借りて、もっと儲かるところに投資すること。 円のキャリートレードはヘッジファンドやペンションファンドもやってるし、銀行もやってるし、なんと一番大きいキャリートレードをしているのは日本政府。 メカニズムを簡単に説明すると、例えば、ヘッジファンドが米株を担保に米ドルでお金を借りると6%の利子を払わなければならないところが、それを日本円でお金を借りると1.5%の利子ですんでしまう。 その借りた円をまたドルに変えて米株に投資してまたそれを担保に円を借りて、、、とレベレッジを何回もかけることができる。 利子率の差がこんなにあれば、たとえ投資した米株が伸びなくても利子率の差から取れる利鞘だけでかなりの利益になる。 これが円のキャリートレード。   円キャリートレードのリスク   円のキャリートレードのリスクはもちろん為替リスク。せっかく1年で4.5%の利鞘があっても、円で借りてドルに投資しているので、その間に円が対ドルで5%値上がりしたら利鞘はマイナスになってしまう。 ところが、最近では円はずっと対ドルで円安に移行してきた。つまり、利率の利鞘だけでなく、為替の利鞘も取れていたのだ。 例えば、1000ド...

今回のNVDA決算

今回のNVDA決算は今までとはちょっと違う。8月初旬の下げを取り戻し、S&P500 が最高値の1%以内にいる今、今後相場がさらに上に行けるかどうかは今週水曜引け後のNvidia (NVDA)の決算にかかっている。厳密に言うと、決算と言うより、NVDAの決算に対する相場の動きにかかっている。今日はその話。 ​ <なぜ今回はちょっと違うのか> ​ 2023年5月に出た決算の度肝を抜くガイダンスアップデートで25%株価が上がったにも関わらず、P/Eは下がるという大型株では前代未聞の離れ業をやってのけたNVDA。 NVDAの決算はあの歴史的な日以来、毎回決算後の株相場のトーンを決めるカタリストとして相場参加者からの注目を一身に集めてきた。 NVDAの株チャート・週足 でも今回は少し毛色が違う。なぜか? 上のチャートを見てもこの下の表を見てもわかると思うけど、NVDAはあの歴史的な決算を出した2023年4月期の決算も含め、それまで 実は4期連続でマイナス成長 していたのだ。 23年4月期で株が爆上げしたのは、決算が良かったわけでなくて、23年7月期のガイダンスが想像を遥かに超える数字だったからだ。 NVDAのEPSと売り上げのYoY成長率推移 となると、直近の決算、つまり 24年4月期の決算までは前年比較が容易だった 、ということになる。 この上の表を見ても分かるように、24年4月期まではEPSも売り上げ(Sales)も成長率がずば抜けて高いが、今期はEPSが139%、売り上げが113%の予想だ。 そして来期(24年10月期)の成長率は77%と75%まで減速する予想になっている。 23年7月期のNVDAの決算で初めてAIの影響が如実に現れ始めたのだから、 今週水曜日の24年7月期の決算で初めて前年比較が難しくなる 。つまりAI業績に入って今期でちょうど1年経ったということ。 つまり種明かしをすると、 NVDAが前年同期比較で4倍5倍の数字を叩き出せたのはAIのおかげだけでなく、その前の年のEPSと売り上げが著しく減少したから でもあったのだ。 となると、数学的にこの脅威的な成長率がいつまでも続くことは不可能。よってある程度の成長率の減速は織り込み済みだ。 でもどこまでの減速なら許されるのか?どこまで減速したら株主は売り始めるのか? それが問題。 実際、 Drucken...