1月最初の週が鍵を握る
トレーダーアルマナックでよくあるのが1月の株価の動きが1年の動向を予言する、というもの。
これはある程度理にかなっていて、機関投資家たちは1年ごとに1月から12月の成績で評価される。2024年にどんなに良い成績を出しても、1月はまたゼロからスタート。仕切り直し。
だから1月にみんな、その年の各自の展望に基づいてポートフォリオを組み直すのだ。
よって、株価が上がる年は1月が底値のことが多いし、株価が下がる年は1月が高値なことが多い。実際、過去4年間、年間の底値高値は1月の第1週で決まっていた。
2020年はコロナがあったので底値は3月だったけど、2019年も底値は1月だった。
つまり、1月の第1週目に株が上げれば、その週の底値が来年の底値になる可能性が高い。逆に第1週目が下げれば、その週の高値が来年の高値になりかねない。
もし1月の第1週目にがっつりと指数が下げて、しかも1月全体も下げたら、2025年の雲行きはかなり怪しくなる。
下げるとしたら理由は?
じゃあ、2025年に株が下げるとしたらどのような理由が考えられるか?
まず、地政学的なリスクやパンデミックのリスクはいつもあるし、予測不可能なので、気にしてもしょうがない。それを気にしていたら一生投資なんてできない。
もう少し予測可能なロードブロックは主に3つ。
一つ目は毎回お馴染み、天下分け目のNVDAだ。NVDAの決算は2月26日。でも1月後半のメガキャップの決算の設備投資に関するコメントで少し予測ができる。NVDAが決算でコケたら相場全体のトーンが変わりかねない。
アポロのエコノミスト、トルステン・スロック氏はNVDAが2025年のどこかで決算をミスる可能性がかなり高いと言った。
二つ目は10年債の金利。今4.58%まで上げてきてしまった。これがこのまま上がり続け5%を超えてさらに上がり続けたら流石に経済成長に支障が出るかもしれない。一旦バランスが崩れるとそのまま不況に雪崩れ込む可能性もゼロじゃない。
いまだれも不況を予想していないところがまた怖い。
しかも10年金利が5%を超えたらドル高がさらに進む。ドル高が今よりさらに進むと世界の国々の成長が滞ったり、破綻する後進国が出てきたりするかもしれないし、海外での収入が大きいメガキャップの業績にも影響が出る。
今、私が一番心配しているのはこの10年金利。
三つ目はトランプの関税と大規模な移民の強制送還。上でも書いたように、トランプの政策は基本、経済にとても有利な政策ばかりだと思う。
でも関税と強制送還は経済にマイナスに働く。特に関税は場合によってはインフレにつながる可能性もあるので、要注意。
でもトランプは基本、株価を自分の成績表だと思っているふしがあるから、経済に壊滅的な影響を与えるような状況にはならないと思う。
まとめるとNVDAは私は大丈夫だと思うし、トランプは頭がいいので変な政策は取らないと思う。やはりコントロールの効かない10年金利が一番怖い。
来年、株価が下がるとしたら予兆は金利じゃないかと思う。1月に10年債金利が一気に5%超えたりしたら、株が下がり、2025年は下げる年、なんて展開もありえなくもない。
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