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私の今回の決算予想は割と可もなく不可もなく

前回の決算プレビューの時、NVDAの決算が出る頃はどうも相場が荒れる、と書いたけど、今回もまた!ただし、今の相場はAIに淘汰される企業の魔女狩りヒステリア。23年5月の度肝を抜くガイダンス以来、常にAIブームを牽引して来たNVDA。決算は水曜引け後。優良決算でこのヒステリアを収めてくれるか?

 AIの魔女狩りヒステリア

2月に入って、相場の焦点は明らかにシフトした。「AIで勝つ企業はどれだ!」から「AIに潰される企業はどれだ!」に。

たった一つのツイートやプレスリリースで業界全体が売られ、企業価値が1000億ドル単位で破壊される。

まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」ふうに最悪シナリオがどんどん尾鰭をつけて広がり、AIには直接関係のない不動産開発売買のセクターまで売られた。

今の人気はHALO株

AI負け組株を売った資金は今のところ、HALO株に流れている。HALOとはHeavy Assets Low Obsolescenceの頭文字。つまり設備投資の必要が大きく、AIに淘汰される心配の低い株、ということ。

HALO株はいわゆるオールドエコノミー、古い経済の株が多い。主に製造業。産業機械を作る会社とか、石油会社、防衛企業、消費財(コカコーラとかトイレットペーパーなど)。 

さらに航空会社や運送会社など沢山の資産を維持しなければならない会社や鉄鋼、鉱石、化学製品などを製造業に売る企業。これらの株はここ15年ほどずっと蔑ろにされてきた。

Saaspocalypse (SAAS企業の黙示録)

HALOと真逆で今売られまくっているLAHO (Light Assets High Obsolescence) の株の最たるものはSAAS。Software as a serviceの頭文字のこのセクターはソフトウェアをサブスクで販売する。つまり資産はほとんどなく、AIに簡単に取って代わられる(と思われている)。

2026年に入ってからのSAASの激しい売りはSaaspocalypse(SAASと Apocalypse(黙示録)をくっつけた造語)と言われている。

私はSasspocalypseも、今週末話題になったAI Dooms Day Scenario(AIデストピア構想)も合ってる部分と間違っている部分があると考えている。

今は赤ちゃんも沐浴のお湯と一緒に捨てられてしまっている状態 (Baby is thrown out with the bathwater - 英語の格言)だと思うので、投資家は各自、自分なりに生き残る企業と淘汰される企業を見極める必要があると思う。

じゃあNVDAはどっち?

ではNVDAはどっちなのか?NVDAはHeavy Assetsではない。なぜなら半導体をデザインするだけで実際の製造はTSMCに委託しているから。

Capexもそれほど大きくないのでFree Cash Flow が潤沢だし、借金は非常に少なく、現金と短期証券の残高が借金残高を大幅に上回る。

ではAIに淘汰される確率は?それは非常に少ないと思う。世界中のありとあらゆる半導体デザイン会社が全ての総力をかけて追いつこうと躍起になっているにも関わらず、NVDAはトップを走りづづける。どちらかというと差を広げている。

だれもNVDAに汎用チップでは勝てないので、GOOGやAMZNは推論などに特化したスペシャルチップをデザインしている。

さらにCUDAというNVDAのチップ特化のSoftware がデファクトのGPU用ソフトになっていることでかなりの参入障壁がある。

つまりNVDAはLALOである。Light Assets, Low Obsolescence。これは最強の組み合わせ。

ほとんどのHALOの企業はHAであるからこそ、LOでいられるのだ。Heavy Assets だから、実社会で実際に使われる物を作ったり使ったりするから、デジタルの世界に存在するAIの脅威には簡単には晒されない、つまりLow Obsolescenceでいられる(ロボットが台頭してきたらまた話が変わるHALO企業もあるが)。

LOでいられるのならLAの方がいい。なぜならHeavy Assetsは設備投資が必要なので、フリーキャッシュフローが少額になり、借金をする必要性も高い。

Light Assetsなら必然的にキャッシュフローが潤沢になるし、借金をする必要があまりない。だからNVDAは強い、と私は思う。

NVDAの株はマグ7の中で唯一年初から上げ

おそらくNVDAはLO認定のため、他のマグ7株が軒並み下げる中、なんとか持ち堪えている。YTD (Year to Date)でマイナスではないのはNVDAだけだ。

そしてマグ7の中で唯一ソフトウェアをサブスクで売っているMSFTがやはり一番下がっている。MSFTは過去3年間のパフォーマンスでもマグ7の中で一番低い。

AIブームの始めの頃はAI勝ち組と目されていたMSFTがビリ。そしてAIブームの始め、完全に負け組と目されたGOOGは過去3年間のパフォーマンスがNVDAに次いで2番目にいい。投資家たちが手のひらを返すのは実に早い。

NVDA株価は絶賛地固め中

NVDAは今$170から$195の間で去年の7月中旬から7ヶ月間の地固め中だ。その前は$100から$150の間で約1年2ヶ月地固めした。

今回の決算でこの地固め域の上限の$195を超えられるか?私は超えないんじゃないかと思う。決算予想は下で詳しく書く。

私はNVDAの長期ブルホドラー(HODLer: Hold on for Dear Life-er) なのでNVDAの株が決算で上げようが下げようがあまり気にならない。

NVDAが決算をミスるとは考えにくいが、もし何かの理由で株価が地固め域の下限を割って、$150あたりまで下がったとしたらおそらくもっと買うと思う。$150が前回の地固め域の上限なので、かなりの支持線になると思う。

上限では昨年11月のピークの$210がかなりの抵抗線になると思う。私の見立てのベースケースはNVDAは今年は$170と$210の間で地固めだ。すでに沢山持っているので、その間でウロウロするなら、今年は高みの見物にすると思う。

とりあえず、HALOでもLAHOでもない、LALOなNVDAの株価はAIの魔女狩りとHALO祭りが落ち着くまではこんな感じなのではないだろうか?だから今回のNVDAの決算は23年5月以来、一番ドキドキしない決算だ。NVDAの決算でドキドキしないなんて、ちょっとなんだか怖い。

こんなふうに「何も起こらない」とたかを括っている時に限って草むらから全く予期しなかったビーストが飛び出したりすることもあるから、油断は禁物だ。

私の今回の決算予想は割と可もなく不可もなく

今回の私の予想はおそらく株価に織り込まれているだろう数字と同じ。だから株価の反応もトントンだと予想。

なので私は今日、私の予想売り上げを$68billionに上げることにした。ガイダンスはそのままで行こうと思う。

この数字はなんと、売り上げの加速を意味する。

去年から毎期成長率は減速してきたが、2025年の2Qで56%まで成長率が下がった後、前期は63%に加速した。そしてもし私の予想が正しければ今期は73%にさらに加速することになる。

しかもこれらの数字に中国への売り上げはまだ入っていないはずだ。中国へのH200の売り上げが認可されたのが1月12日なので、事実上まだ全然出荷されていない。

本当にこんなにすごい成長率を中国なしで達成できるのか?でもJensenなら今回もやってくれるのだろう。本当にJensenは時代の寵児だ。

でもこれだけすごい数字がすでにコンセンサス予想なので、前回同様、今回の決算で株価が上がるほどの数字を出すのはかなり難しいのではないかと私は思っている。だから今回の私の予想は可もなく不可もなく。

今回は在庫と売掛金の残高にも注目

前々回の決算で話題になったのが、NVDAの在庫 (Inventories)と売掛金 (Account Receivable) の残高が急に増えたこと。確かに売り上げと売上原価の数字と比べた日数で見ても数字が増えている。

マイケルバーリのレポートで話題になったGPUの減価償却の期間引き伸ばし問題とも相まって、NVDAは売り上げの数字を無理に伸ばしているのではないか、と懐疑派が指摘した。

なので今回はInventoriesとAccount Receivableも予想してみた。発表される数字がこの数字より大幅に大きかった場合、さらに詳しく分析する必要がある。特にInventories(在庫)。

誰もが出荷を待ち望み、作る端からどんどん売れていくはずのGPUの在庫が大幅に増えれば「何かおかしい」と言い出す輩が必ずいるだろう。

 バーリ氏の減価償却関連の空売りテーゼは論点がズレていると私は思っている、と前回の決算プレビューで詳しく説明したので、その件に関してはそちらを読んでほしいが、Inventoriesの残高増加はGPUの減価償却の期間延長よりもっと興味深いと私は思うので、今回はそこにも注目している。


まとめ

ということで、今回は相場がSAASとHALOに注目する中、NVDAはそのどちらにも当てはまらないということで、ちょっと台風の目から外れた立ち位置で、いつも通りの$1-2billionのビートというすでに織り込み済みの決算を出すと思うので、私はあまりドキドキしていない。

しかし、素晴らしい決算を出しても株価が下がったPLTRの例もあるので、あまり楽観視していると驚く結果になる可能性もある。でも私はJensenを信じている。信じてついて行くのみ。

将来どこかでいずれNVDAの売り上げがマイナス成長する、なんてことがあるのなら、その時はNVDAの株価も相場もかなり下げるとは思う。でもその世界線はまだまだ見えない。

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