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Showing posts from August, 2025

今回の決算の鍵は? 今後、成長率が下がるのは必然 じゃあ株はどうする?

今回の鍵は中国への輸出状況のアップデートと来期の売り上げガイダンスだろう。ノイズが多いことが予想されるので、CEO Jensenのコメントが鍵となる。 ノイズを除いた状態の実際のAdjustedの数字が今回のコンセンサスを超えるのはほぼ間違いないと私は思う。だから上の予想では特に来期の売り上げガイダンスは強気に設定した。 ただ、期待値が非常に高いと思われるので、コンセンサス予想よりかなり高い数字を出さないと株は上がらないと思う。 今のコンセンサスに織り込まれている、3Qの中国への輸出売り上げは$2-3 billionだと思う。だからもし3Qのガイダンスに中国への輸出の$8 billion を足した数字が出たら株はおそらく上がるだろう。 その場合、来期 (3Q) の売り上げガイダンスはコンセンサスの$52.8 billion、私の予想の$54 billionに対して$58 billion あたりになるのかもしれない。 また、その売り上げの伸びが駆け込み需要による一時的なものなのか、それとも継続して需要のレベルが減らないものなのかどうかのコメントも大事だろう。 NVDAの売り上げ成長率は確実に下がっていく。なぜならそれは会社が大きくなるにつれ、同じ金額、毎期毎期成長しても分母が大きくなるので成長率は下がるから。 今の時点で私が予想している今後1年先の売り上げ成長率はこんな感じ。 このペースで行くと来年の3QにはNVDAの売り上げ成長率が30%を切る。 そして今のところ、毎期毎期増えていくHyper Scaler やマグ7など大型企業の大量設備投資もやがてピークがきて金額が前年に比べて減る日がいずれ来ると思う。そんなデータがマグ7から出てきたら、NVDAの株価成長率もかなり陰るだろう。 今回は期待値が高い事とノイズが多い決算が予想されるので、業績がコンセンサスを上回っても株価が大きく上げる可能性は低いと私は見ている。 唯一読めないのは3Qの中国への輸出のガイダンス。これが予想を大幅に上回れば株はさらに上がるかもしれない。でもそれが継続して期待できる成長なのかは分からない。 よって、私は今はNVDA株を買う時ではないと思う。ただ売る気もない。今後の売り上げ成長率はおそらく落ちる。でもレースはまだまだ続くから。 NVDAはまだまだ序盤戦のAIレースでレースに出場するのに必要な...

ノイズの多い決算

今回も前回同様、ノイズの多い決算となる。前回はガイダンスの数字が中国への輸出を除いた数字で前期と比較できなくなってしまい、ミスしたのかどうなのかよくわからない状態だった。今回もそれに近い状態が予想される。 決算後の7月と8月にH20の中国への輸出禁止は解除された。よって前回計上された$4.5 billion のチャージはおそらく今期にリバースされる。前回Cost of Revenue (COR) にチャージが計上されたので、今回のCORはチャージのリバースで極端に低くなるはず。 そして前回、もし中国への輸出ができれば2Qのガイダンスは$8 billion 高かった、と言っていたので、その売り上げが実際に計上される3Qのガイダンスはその分増えるのか?ここが肝だ。 また、このH20輸出再開はそれを中国に売った売り上げの15%を政府にExport Taxとして納めなければいけないという、尾ひれがついている。これもCORに計上されるはずなので、これは3Q以降のNVDAのグロスマージン(粗利益率)を下げる。 これらのノイズはアナリストたちが注目するAdjusted(non-GAAP)の数字からはおそらく全て取り除かれるので実際にはそれほど影響が出るわけではないが、ノイズが多すぎて根底に流れる業績のトレンドが見にくくなることは確かだと思う。

大阪万博での約五か月~人間関係の新陳代謝~

 大阪万博での約五か月 その時は短くとも、心に残る濃密な日々だった。朝の光に照らされ歩く会場、ふとした休憩時間に交わす言葉、さまざまな年代や背景をもつ人々との出会いは、まるで未知だった景色が次々と現れる旅のようだった。 人と人との相性というものは、理屈で割り切れるものではなく、たくさんのやり取りや出来事を重ねて、少しずつ浮かび上がってくるものなのだと実感した。出会いがあれば別れもある。その流れこそが、まさに「人間関係の新陳代謝」なのだと思う。細胞が絶えず入れ替わり、私の身体を健やかに保つように、人付き合いもまた古いものが去り、新たなものが芽生えて、自分を生かし続けてくれる。 別れはやはり切なく、心が空白になることもあった。しかし、その空白に新しい風が吹き込むたび、自分自身の世界が少しずつ広がるような気がした。やがて、出会いも別れも、どちらも自分を成長させてくれる大切な糧になるのだと、感謝の気持ちが生まれた。 この経験が教えてくれたのは、「流れの中に自分を置く」ことの大切さだ。変化を受け入れ、今日という一日を味わい尽くすこと。それが、人生をしなやかに歩む力になるのだろう。万博でのさまざまな経験に、心からありがとうと伝えたい。

決算予想

こちらは私が先週作ったNVDAの2Q26の決算予想だ。 見るとわかるように、コンセンサス予想が8月17日から今日までで2Q売り上げ、3Q売り上げガイダンスともに数字が上がっている。つまり期待値は高い。 NVDAの時価総額が今、ダントツで大きい さらにNVDAの株価は4月の底からほぼ倍になっている。前回決算が出た25年5月28日の時点でNVDAの時価総額はAAPL、MSFTに次いで3位だった。 しかしその後、AAPLは低迷し、NVDAは急速に上昇したので、今、NVDAの時価総額は世界中の株の中でも唯一、$4 trillionを超え、世界最大の企業になり、2位のMSFTよりも$700 billion, 3位のAAPLよりも $1 trillionも大きい会社になってしまった。 このNVDAとAAPLの時価総額の差はなんと時価総額12位のJP Morgan($821 billion)や13位のWalmart ($766.51)の時価総額よりも大きい。 こんなに大きい会社がたった4ヶ月でほぼ2倍になる、というのは歴史的にも例がないと思う。 これは今回の決算への期待値はとても高いと言わざるを得ないだろう。

NVDAの決算は水曜の引け後

5月の決算はH20輸出禁止中だったので期待値が低く、コンセンサス予想も下方修正されていた。時価総額もAAPL、MSFTに次いで3位だった。でも今回は決算が近づくにつれて上方修正されてる。しかも時価総額は今、ダントツ1位。AIバブルが騒がれる中、さあどうなるNVDA? 今の米株相場がAIブームによって牽引されているのは間違いない。株によってはバブルテリトリーに見える株も少なくない。そして今、世界で一番大きい会社になったAIの寵児、NVDAの決算が今年後半の相場の鍵を握る。 NVDAが転べば、相場は大怪我をする。NVDAが飛べば、相場も一緒に高値を更新する。やはり今回もNVDAは大きな先行指数だ。

根拠なき越境

4~7月までの間、こういう話を何回か聞いた。「大阪万博でサラリーマンより稼いでいるし~(サラリーマンを卑下する発言)」 正直呆れた。そしてそういう学生ほど自分の市場価値と身の程を分かっていないと実感した。 仮にサラリーマンがいなかったら、 誰が多額の税金を納めるのか。 誰が社会インフラを支える資金を生み出すのか。   誰が安定した消費活動を通じて経済を循環させるのか。   誰が企業の持続的な成長を支える日々の業務を担うのか。   誰が年金制度や医療制度を維持するための保険料を継続的に支払うのか。   誰が災害時や緊急時に組織的に動き、復旧を支えるのか。   誰が技術や知識を蓄積し、次世代に継承するのか。   誰が地域社会の安定に貢献し、家族を守る生活基盤を築くのか。 万博という一過性のイベントに関わっただけで、まるで自分が社会を動かす側に回ったかのような錯覚に陥っている人たちがいる。彼ら一部の人は「自分>サラリーマン」といった図式を脳内で描き、既存の社会構造を超越したつもりでいるが、それは単なる根拠なき越境に過ぎない。 「万博に関わった」=「社会変革の担い手」などという飛躍は、履き慣れていない下駄で全力疾走しているようなもの。見た目は派手でも、足元は不安定だ。  実績も思想もないまま、肩書きやイベントの熱狂に乗じて自己を肥大化させる姿は、まるで空虚なブランドロゴを貼り付けただけの空箱。「越境」という言葉には本来、境界を乗り越える知性や覚悟が伴うはずだが、彼らのそれは単なる自己陶酔的なジャンプでしかない。 万博という下駄は、履く者の足元を高く見せるが、地に足がついていなければ、いずれ転ぶ。真の越境とは、根拠と実践に裏打ちされた歩みである。イベントの余熱で浮かれている間に、現実の冷気はすぐそこまで迫っている。あと2か月くらいで自分の市場価値を知るだろうね。