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お魚の一番美味しい所はすでに食べてしまった気がする。あとは骨を取りながら食べる感じ。つまり注意が必要。

8月28日は今期で最高にドキドキする決算日だった。私はNvidia (NVDA)とCrowdstrike (CRWD)の株を両方持ってる。NVDAはまた今回も天下分け目の関ヶ原。CRWDはシステム障害後初めての決算。結果、株価は引け後、両方とも下げた。なぜ?これは売り?買い?私の独断と偏見を披露。Let's go!

<NVDAの決算で私が思う事>

・来期のガイダンス

実際の結果はコンセンサスや私の予想より高かった。でも株は下がった。なぜか。

8/27の投稿で私はこう言った:

「​シナリオとしては:

・コンセンサスとは「超えてなんぼ」なので、もしかすると来期売り上げガイダンスは$32.5billionか$33billion出してくるかもしれない。それが出せれば株は上げると思う

・逆に私やコンセンサスの予想通りガイダンスが$32billionだった場合、株価の動きが見ものだ。その場合、おそらく株はフラットだと思うけど、もしそれで例えば株価が閉場後5%くらい下がったりしたら木曜日に一気に売られる可能性もある。

・ガイダンスが$32billion以下の可能性は低いと思う。でももし$32billion以下だったら株は2桁下がると思う。

​ここで大事なのは、決算はすでに7月28日付けで終わったことなので、もう変えられないが、ガイダンスは未来のことなので、コンセンサスの推移を見て決算前に変えられるのだ。

この時私は予想を$32billionにした。

でもコンセンサスが$31.7billionの場合、四捨五入すると$32billionになってしまう。これでは弱い。

だから、以前投稿した時に「コンセンサスは超えてなんぼなので、$32.5か$33billionを出してくるかもしれない」と言ったのだ。

で実際に蓋を開けてみたら来期ガイダンスは$32.5billionだった。

これはなんとも微妙な数字。なぜならガイダンスは23年4月期に$10billionを超えて以来、ずっと1 billion単位だったから。

ここへきて0.5billion単位のガイダンスが出た。なぜ$33billionではなく、$32.5なのか?ここが私には引っかかる。

NVDAみたいなグロース株はガイダンスは超えなくてはならない。かなり安心なマージンで超えられる自信がある数字を出す必要がある。

しかも最近は決算に近づくにつれてコンセンサス予想が上方修正されるので尚更だ。

となるとガイダンスは少しでも低く設定したい。$33billionはちょっときつい。でも$32billionではおそらく低すぎる。よって苦渋の判断で$32.5billionだったのではないか。

先日の投稿でも言ったけど、この7月期から前年同期の比較が難しくなった。成長率の鈍化が如実に現れる。

アナリストが数字を上げても上げても軽々とその上を行っていたNVDAは、ここへきてコンセンサスの上方修正を恐れるNVDAになってしまったような気がする。

それが$0.5という数字に感じ取れてしまった。だから、ガイダンスは予想よりずっと高かったのに、私の言っていた「シナリオ2」の反応になってしまったのだと思う。

決算は良かったのに株は下がる。これは正に株主が恐れていた相場の反応だ。

さらに今回のNVDAの決算にはもう一つ大きな問題があった。

・マージンが下方修正

前回の決算で発表されたガイダンスで今期のGross Margin(粗利率)が下がることは予告されていた。

今期(7月期)のガイダンスは74.8%だった。そして結果は75.1%。たったの0.3%のビート。

4月期のGroos Marginは78.4%でガイダンスは76.3%だったので、約2%のビートだった。つまり、今期のガイダンスに対してのビートが非常に弱かったのだ。

私のモデルは76%を想定していた。もおそらくアナリストのモデルもそうだっただろう。

そして10月期のガイダンスはさらに下がって74.4%。

NVDAは需要が供給を大幅に上回っていて、顧客は列を作って商品を奪い合い、NVDAは言い値でチップを売れるはずではなかったのか?

その状態でなぜGross Marginが下がるのか?何かおかしい。

さらにコンフェレンスコールで言及されたマージン低下の理由が私的には今ひとつ納得がいかない。

Blackwellの売り上げが伸びれば伸びるほどマージンが下がるらしいが、最新で最も高級なチップのマージンがなぜひとモデル前のものより低いのか?

チップの値段が高過ぎて、値段を下げないと売れないのか?それもおかしい。

多くの機関投資家は何か辻褄が合わないと、とりあえず売って、そのあと調べる。リサーチの結果、納得がいけば、たとえ売った値段より高値になっていたとしても平気で買い戻す。

なぜなら機関投資家は大きく上がること期待するより大きく下がることを恐れるから。「未知」が一番怖い。機関投資家は「負けない投資」を目指すのだ。

リスク管理は機関投資家にとって何よりも大事な要素。だからグロスマージンのトレンドに疑問を持って決算後売った投資家もいたのではないかと私は思う。

・Blackwellの遅れは問題なし

散々噂されているBlackwellの納品遅延は株価にはほぼ関係ないと私は思う。2−3ヶ月売り上げがずれたくらいではファンダメンタルに影響はない。

・明日株はどうなる?

NVDAの決算後の株の動きはファンダメンタル投資家よりは投機的な投資家たちによって牛耳られている。彼らは超短期のオプションなどを使って一攫千金を目論む。

短期で上がることを期待してロング(買い)で決算に臨んだ投機家たちはおそらくもうすでに売ったか、明日売るだろう。

開場後、下げトレンドが確認できれば、そこにトレンドをフォローするアルゴリズムのトレードが畳み掛けるのでその場合、明日は2桁下げてもおかしくないと思う。これは私がおととい予想したシナリオ。

決算自体は良かったので明日、上げに転じる可能性はゼロではない。でもそれにはファンダメンタル投資家たちが買いに来ないと上がらない。

ファンダメンタル投資家たちには、上記で述べたちょっと弱気な来期ガイダンスの$0.5と辻褄の合わないGross Marginの下方修正がネックになるのではないかと私は思う。

・私はどうする?

私はNVDAの株を持ち過ぎているし、持っている株は3倍4倍になっているので、そろそろタイミングをみて半分くらいまで減らそうかと思っている。

まだ株は上がるだろうし、長期で見ればおそらく$200は硬いと思うので全部は売らないけど、お魚の一番美味しい所はすでに食べてしまった気がする。あとは骨を取りながら食べる感じ。つまり注意が必要。

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